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東邦大学

2021年度 入試概要

一般選抜

募集人員約70名(別途、千葉県地域枠5名を募集)

試験科目・時間・配点

1次試験外国語(90分・150点)
コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ、英語表現Ⅰ
数学(90分・100点)
数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(「数列」「ベクトル」)
理科(120分・150点)
以下のうちから2科目選択
物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物
基礎学力(60分)
論理的思考能力、数理解析能力 等
※基礎学力の評価は1次試験ではなく、2次試験の際に使用されます。
2次試験面接(40分)

過年度入試結果

一般選抜

概要

上段は全体、中段< >は男子、下段( )は女子の数値です。

年度募集人数志願者数受験者数
A

1次試験合格者数

2次試験

倍率
A/①

正規合格者数
補欠者数

最終合格者数
B=①+②

人数うち繰上合格者数
20111102,3822,29446095非公表非公表非公表24.2
<1,465><1,403><69><20.3>
(917)(891)(26)(34.3)
20121102,2562,16844697非公表非公表非公表22.4
<1,346><1,287><64><20.1>
(910)(881)(33)(26.7)
20131102,6742,581476100非公表非公表非公表25.8
<1,572><1,515>
(1,102)(1,066)
20141103,2072,845514112非公表非公表非公表25.4
<1,942><1,704><65><26.2>
(1,265)(1,141)(47)(24.3)
20151153,3932,999513108非公表非公表非公表27.8
<2,024><1,762><65><27.1>
(1,369)(1,237)(43)(28.8)
20161153,2422,857513113非公表非公表非公表25.3
<1,961><1,703><59><28.9>
(1,281)(1,154)(54)(21.4)
20171152,8572,530526112非公表非公表非公表22.6
<1,635><1,421><59><24.1>
(1,222)(1,109)(53)(20.9)
20181153,1932,944非公表111非公表非公表非公表26.5
<1,849><1,675><57><29.4>
(1,344)(1,269)(54)(23.5)
20191152,6732,467非公表131非公表非公表非公表18.8
<1,515><1,383><76><18.2>
(1,158)(1,084)(55)(19.7)
2020852,6962,527544125非公表非公表非公表20.2
<1,543><1,439><66><21.8>
(1,153)(1,088)(59)(18.4)

最終合格者内訳

年度人数構成比率(%)
現役1浪2浪3浪4浪以上
その他
合計現役1浪2浪3浪

4浪以上
その他

合計
2011非公表非公表
2012非公表非公表
2013非公表非公表
2014非公表非公表
2015非公表非公表
2016非公表非公表
2017非公表非公表
2018非公表非公表
2019非公表非公表
2020非公表非公表

合格者最低点

年度合格者最低点
A
満点
B
得点率
A/B
備考
2011276.040069.00% 
2012269.540067.38% 
2013283.040070.75% 
2014300.040075.00% 
2015278.540069.63% 
2016272.040068.00% 
2017292.540073.13% 
2018271.040067.75% 
2019251.040062.75% 
2020269.040067.25% 

一般選抜の傾向と対策

1 英語

A 出題内容

2020年度
大問番号項目内容
1読解内容説明、同意表現、欠文補充、指示語、内容真偽
2読解空所補充
3読解内容説明、同意表現、欠文補充、テーマ
4文法・語彙、読解誤り指摘
5読解欠文補充、内容説明、同意表現
6文法・語彙和文英訳
2019年度
大問番号項目内容
1読解同意表現、テーマ、内容説明
2読解空所補充、内容説明
3読解空所補充
4読解同意表現、内容説明
5文法・語彙誤り指摘、空所補充
2018年度
大問番号項目内容
1読解同意表現、内容説明、内容真偽
2読解空所補充、内容説明
3読解空所補充
4読解同意表現、内容説明
5文法・語彙誤り指摘、空所補充
2017年度
大問番号項目内容
1読解同意表現、内容説明、内容真偽
2読解空所補充、内容説明
3読解空所補充
4読解同意表現、内容説明
5文法・語彙誤り指摘、空所補充
2016年度
大問番号項目内容
1読解同意表現、内容説明
2読解空所補充、内容説明
3読解空所補充
4読解同意表現、内容説明
5発音発音・アクセント

B 傾向

全問マーク式である。近年、大問の構成は、長文問題4題と、文法・語彙・発音などの知識を問う問題1題だったが、2020年度には日本語の文に適する英文を選ぶ問題が加わった。長文の内容は、医系・生物学系のものがほとんどであり、専門的な内容の文章もあるが、単語の注釈は付いていない。なお、長文の総語数は徐々に増えており、2020年度は3,000語超である。

長文問題の設問では、書き換え・同意、内容一致・不一致、内容説明・理由説明、タイトル、空所補充、文挿入等が問われており、分量は多いが、問のひとつひとつは標準的である。中には文章を読まなくても解ける知識問題もある。また、各設問の解答の根拠部分が本文の流れに合うように並べられていることが多い。文章の各部分を確実にとらえているか否かが問われている。長文以外の大問は、2016年度が発音・アクセント問題、2017年度以降は文中の下線文の正誤判定問題で空所語句補充問題が加わることもあり、いずれも標準レベルである。2020年度に新たに加わった大問は、日本文の意味に合致する英文を選ぶ問題で、4つの文から正しいものを1つ選ぶ。文法上適切か否かも判断しなければならない。

C 対策

試験時間90分で65~70の小問を解き切らなければならないため、大問別の時間配分を十分に考えてから問題に取り組まなければならない。長文のテーマは医系がほとんどで、しかも専門用語でも注釈がつかない。医系長文と医系単語の演習をこなしてしっかりと準備をしておこう。

また、長文の設問にも文脈把握を必要としない知識問題が出題される場合がある。単語・イディオムといった基礎知識の習得は必須である。知識系の問でなるべく時間を節約して、文脈把握を前提とする問に時間をかけるのが定石だが、そのような問もさほど深い読解は必要とせず、問の根拠部分も文章のうちの限られた範囲にあることが多い。確実な知識および瞬時の判断力・事務処理能力が求められていると言える。小問は文章に出てくる順番どおりに並んでいるので、文章を前から少しずつ読んでは問を順番に解くという処理を繰り返すとよい。

2 数学

A 出題内容

2020年度
大問番号項目内容
1図形と式2つの放物線の2交点を通る直線およびその2交点と原点を通る放物線の式
2図形の性質三角形の角の二等分線、線分の比
3式の値3文字の対称式の値
4ベクトルと図形平面ベクトルと三角形、外接円の半径
5微分法接する2曲線と接線の方程式
6整数の性質自然数の倍数と余り
7整数自然数の組の個数
8二項定理二項係数の性質、対数の値
9定積分三角関数の値、定積分(置換積分法)
10極限不等式を満たす定数の最小値、和の極限(不等式を利用、区分求積法、はさみうちの原理)
2019年度
大問番号項目内容
1関数の極限分数関数の極限、分子の有理化
2データの分析平均値と中央値
3微・積分法関数の極大、曲線の長さ
4図形と計量直角三角形、方べきの定理
5場合の数同じものを含む順列
6複素数と方程式条件式と式の値域、判別式の応用
7数列3項間の漸化式、規則性発見、和の値を満たす自然数
8関数の性質3次曲線の点対称、\(x\)軸に垂直な直線に関して対称な4次曲線
9空間図形正四面体、線分の長さ、回転体の体積
10空間ベクトル球面に接する直線の接点の集合、直線と平面\(z=0\)の交点の軌跡(楕円)
2018年度
大問番号項目内容
1確率じゃんけんの確率
2高次方程式4次方程式の2重解
3三角関数三角関数の値
4ベクトル平面ベクトル、内積
5整数と数列の和\(n\)進法、数列の和の公式、部分分数分解
6放物線放物線と自然数
7図形と式、体積接する放物線と円、回転体の体積
8複素数平面複素数の計算(共役複素数を含む)、絶対値、偏角
9関数と方程式関数が満たす方程式、方程式の解
10整数加法定理、自然数解
2017年度
大問番号項目内容
1図形と計量三角比
2恒等式、積分法恒等式の性質、分数関数の定積分
3指数・対数指数方程式、分数関数の最大・最小
4式と曲線極方程式(円)
5微分法4次曲線の変曲点、4次関数が極大値をもつ条件
6ベクトル平面上の三角形を与えるベクトルと三角形の面積公式
7平面幾何円に内接する台形の計量
8データの分析2つのデータを合わせたデータの平均値と分散
9数列と極限連立漸化式と数列の極限
10整数条件を満たす自然数の組の個数
2016年度
大問番号項目内容
1微分法対数関数の微分係数
2空間図形球の中心と半径、球の接平面
3平面図形方べきの定理、三角形の面積
4平面図形傍接円と接線の長さ
5三角関数三角関数の最大値
6確率2次関数の最小値と確率
7高次方程式整式の割り算の余り
8微分法対数を含む関数の極致をもつための条件
9図形と計量、三角関数正弦・余弦定理、加法定理
102次関数2次式の2つの1次式への因数分解
11ベクトル2つのベクトルのなす角の余弦
12整数の性質整数係数の3次方程式の正の整数解
13数列、極限数列の和の極限値
14積分法曲線で囲まれた部分の面積
15データの分析、図形と方程式共分散と相関係数、不等式の表す領域

B 傾向

出題範囲は数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲであり、数学Bは数列とベクトルである。大問は、2016年度までは15題であり、1題当たりの解答時間は6分であったが、2017年度以降は10問に減った。全分野から広く出題されている。また、各問題はほぼ単一の分野から出題されていて、複数の分野にわたる融合問題はあまり見られない。また、出題形式はセンター試験と同じ形式で、完全マークシート式であり、マイナスの符号か数字0から9をマークするものである。難易度は、教科書レベルのものから、素直な標準問題、やや難しかったり、計算量が多かったりするものまで多彩な内容である。2017年度は問題数が減っただけでなくレベルもやや平易になったが、2018年度では後半の大問8~10がやや難しい内容であった。2019年度では難しい問題は見られず、この3年易化傾向にある。ただ、試験時間90分は決して十分ではなく、すべての問題を解くのは厳しい。なお、2018年度に途切れた新課程の分野である「データの分析」からの出題が、2019年度には復活して出題された。2020年度の特徴として、二項係数の和、置換積分の値、はさみうちの原理に帰着される極限などが挙げられる。この3問がやや面倒であった。

全体として、比較的平易な出題が続いており、この易化傾向は続くと思われる。

C 対策

定理・公式を適用する練習だけでは不十分であり、標準的な学力を着実に身につけることが必要である。Z会出版「チェック&リピート」、正高社「タイプわけによるNEW数学ⅠAⅡB」、「タイプわけによるNEW数学Ⅲ」などを利用するとよい。

易化の傾向が今後も続くと推定できて、大幅に変わることはないであろう。マーク式を考慮して、手際よく必要な計算だけを行い速く正解を得る工夫を習慣づけることが肝要である。

数学Bと数学Ⅲは特に十分な対策が求められる。大体易しい順に並んでいるので、前半の問題を手際よく正解して、後半の問題にかかるようにする。

さらに、河合出版「ハイレベル理系数学」、Z会出版「理系数学入試の核心 標準編」、数研出版「オリジナル・スタンダード数学演習Ⅲ」がお薦めである。ただし、難問はパスしてよい。標準的な入試問題を、如何に手際よくスピーディに正解に達することができるかに専念するのがよい。。高得点を目指す必要があろう。

東邦大学のような出題形式はほかにあまり見かけないので、過去問演習が非常に大切である。

3 物理

A 出題内容

2020年度
大問番号項目内容
1力学斜方投射、壁と床に衝突する物体、反発係数
2力学斜面に滑りあがる物体と斜面の運動、運動量保存
3波動凸レンズと凹レンズの複レンズによる結像
4熱力学断熱状態の3部屋の気体の移動と混合
5電磁気複数の電流が作る磁場と電流にはたらく力
6原子X線管とX線の発生、ブラッグ反射
7波動進行波と反射波による定常波
2019年度
大問番号項目内容
1力学ばねによる単振動
2力学重なった物体の運動、運動方程式
3波動音波のドップラー効果
4熱力学ばねを備えたシリンダー内の気体の状態変化
5熱力学気体の分子運動、分子の運動エネルギー
6電磁気LRCが直列につながった交流回路
7電磁気直流回路、オームの法則
2018年度
大問番号項目内容
1力学ひもでつながれた2物体の運動・運動方程式
2力学ばねでつながれた2物体の運動・運動量保存・力学的エネルギー保存・単振動
3波動プリズムによる光の屈折
4波動弦の振動とうなり
5熱力学気体の状態変化
6電磁気電場内での荷電粒子の運動
7電磁気コンデンサーのはたらき
8原子ボーアの水素原子モデル
2017年度
大問番号項目内容
1力学複合滑車による物体の運動
2力学剛体棒の重心と質量を調べる
3波動閉管の共鳴
4熱力学円筒容器とピストンによる気体の状態変化
5熱エネルギー氷の加熱と状態変化
6電磁気ホール効果
7電磁気直流回路でのコイルの性質
2016年度
大問番号項目内容
1力学あらい水平な床上での物体の単振動
2原子・力学ミリカンの実験
3力学地表からの物体の投げ上げ、第一宇宙速度
4波動弦の振動、定常波の節の位置
5波動音源が円運動をするときのドップラー効果
6熱力学気体の加熱によるピストンの上昇速度
7熱力学熱気球が上昇するための条件
8電磁気・力学電気振り子、電位と磁場
9電磁気・力学ベータトロン
10原子原子核の崩壊と放物線、半減期

B 傾向

出題範囲は、「物理基礎・物理」の全範囲である。全問マークシート式。大問の数は7、8題、小問数はほぼ25問程度でおおよそ標準的な内容である。問題を見てみると、ほとんどは問題集などで何度か遭遇しているものばかりであり、合格者の得点は高めとなる。

2020年度入試の概要は次のとおりである。大問1、大問2は「力学」。斜方投射した小球が壁で垂直に跳ね返り、床で何度か弾むものである。大問3は「波動」。凸レンズと凹レンズを組み合わせたもので珍しくはないが、凹レンズにとって虚光源扱いになる問題は少ない。大問4は「熱力学」。気体の混合と真空への広がりである。大問5「電磁気」で、直線電流が作る磁場と電流との間にはたらく力を問うもの。大問6は「原子」。X線の発生原理からブラッグ反射につながるものである。大問7は「波動」。進行波が固定端壁で反射し、進行波と干渉して定常波を作る問題である。いずれも標準的で解きやすい。27問中26問が計算問題である。

C 対策

多くの単元から出題されるので、幅広く丁寧な勉強が必要である。難問はないが26問の計算は60分といえどもきつい。このような問題では特に問1、2の初めの段階でミスすると、その後も全部バツになることがよくある。前半は特にミスに気を付けることだ。

広範囲なので、苦手な単元があれば必ずその単元からの出題もある。わかりにくいと感じる分野を放置せず、逆に得意分野にしておくような心構えが必要だ。教科書をしっかり読み込み、参考書で知識や理解を深め、問題集で実戦力を養っていく。受験勉強としてはまったく形通りだが、東邦大学の問題にはそのやり方がよい。例えば「摩擦角」や「光の分散と散乱」が説明できない諸君、「自己インダクタンス」を導出できない諸君は要注意である。基本に戻って公式やその論理的な意味を見直すことが必要である。その上で問題集を2、3冊しっかり解ききるような勉強をしてみよう。また、問題量が多いので、スピード感をもって普段の練習をしたい。

4 化学

A 出題内容

2020年度
大問番号項目内容
1総合同位体、気体の密度、銀、電気陰性度、電子親和力、イオン化エネルギー、イオン半径、アルカンの沸点、熱化学方程式、構造異性体
2理論チオ硫酸ナトリウムによる酸化還元滴定、弱酸の電離平衡、混合気体
3有機二重結合を持つ化合物の異性体、セルロースの加水分解及び硝酸エステル化の割合の算出
2019年度
大問番号項目内容
1総合弱酸、イオンの反応、脂肪酸の融点、三重点、極性、原子量の基準
2理論・有機弱酸・弱塩基のpH、ダニエル電池、元素分析、ブタノール
3理論酢酸水溶液の中和滴定、反応速度と触媒
4有機・理論幾何異性体(2-ブテン)の物理的・化学的性質の違い、ポリペプチド
2018年度
大問番号項目内容
1総合状態変化、還元剤の強さ、電子配置、金属の融点、異性体数、結晶、同素体、溶解度、ハロゲン化水素、触媒、緩衝溶液、実験器具、混合気体、熱化学計算、糖類、アミノ酸、タンパク質の呈色
2理論気相における分子の酸性度、電池
3有機有機化合物の分離、構造決定、油脂、脂肪酸、セッケン
2017年度
大問番号項目内容
1総合原子量、結合と結晶、電気分解、混合物の分離法、比熱の計算、結晶格子、気体の状態方程式、気体の溶解度、反応速度と化学平衡、高分子化合物、芳香族化合物の反応など小問20問
2理論・有機Fe2+とK2Cr2O7の酸化還元反応、フェーリング反応の計算、光子エネルギー
3有機アルコールとアルデヒドの反応(アセタール化)、ペプチドの反応
2016年度
大問番号項目内容
1総合同素体、分離の方法、コロイドの凝析、アルカリ金属の密度、光触媒、高分子化合物の構造、ペンタノール、COの性質、コロイドの性質、比熱、金属の結晶格子、個体の溶解度、反応速度、浸透圧、緩衝液、芳香族化合物の配向性、アミノ酸など小問20問
2理論HBrの反応サイクル、AgClの溶解平衡、燃料電池
3有機・理論二糖類の反応と性質、アルケンの二重結合の開裂反応

B 傾向

全問マークシート式である。大問1は毎年、小問集合形式で広範囲の総合問題になっているが、理論重視で計算問題が多い。正確な計算能力と細かい知識が必要だ。試験時間に対して問題数が多く、スピード重視であり、わからない問題は潔く捨てよう。基本から入試標準レベルの問題がほとんどで難問は見当たらない。理論計算では解答が選択式の場合は最後まで計算する必要はなく、途中まで計算して近い値を選ぶ。物質量計算、中和滴定、pH計算、酸化還元、電気化学、熱化学、結晶格子、溶液、気体などが頻出であるが、反応速度、化学平衡でやや難易度の高い問題が出されることもある。2017年度では光子エネルギーの計算が出題され、最近の医学部の傾向である知識暗記から理解、考察問題へのシフトが感じられる。無機分野では金属イオンの検出、工業的製法や実験の手順などが頻出である。有機分野では官能基の性質、異性体を数える問題、元素分析や分子量測定などの計算問題が目立つ。生物寄りの内容、医療現場で扱う試薬や器具などの問題が出されることもあるが問題数を考えると捨ててしまって構わない。

2020年度は第2問が酸化還元滴定の問題であったが、酸の定量のためにヨウ素酸イオンとヨウ化物イオンにより水素イオン濃度を調べるという目新しいテーマのものであった。しかし内容はよく見かけるヨウ素滴定であるので素早く実験の本質を見抜いて解答していきたい。

C 対策

教科書、資料集を丁寧に学習し、「セミナー化学」などの標準的な問題集に当たる。理論分野では応用問題が出されることもあるので、「化学重要問題集」などやや骨のある問題集にも慣れておくとよい。マークシート式だが、問題数が非常に多いため、じっくりと考える暇はない。無機化合物では原子団や分子ごとに、有機化合物では官能基ごとに分子量を覚えておく。途中計算では筆算を最終手段と捉え、四則演算の順番を工夫してスマートに計算しよう。例えば、炭酸バリウム0.6mol の質量を計算するときは、197×0.6 = (200−3)×6÷10 = (1,200−18)÷10 = 118.2と暗算するとよい。東邦大学のような知識選択式の問題の正答率を上げるには、繰り返し問題演習をするよりも体系的にまとまったデータベースを作り、新しい内容はその都度データベースに追加してインプットとアウトプットを交互に進めていくとよい。マークシート式のため有機化合物の構造を書かされることはないが、普段の学習ではもちろん構造式を中心に学習するように。

5 生物

A 出題内容

2020年度
大問番号項目内容
1植生の多様性と分布遷移、ラウンケルの生活形、物質収支、エネルギー収支(計算)
2動物の反応皮膚感覚、興奮の伝達経路、大脳の働き、活動電位(計算)
3代謝呼吸商(計算)、呼吸基質の分解経路、酵母菌の代謝(計算)
4生殖と発生ウニの受精、多精拒否
5遺伝情報DNAの構造、DNAの複製、塩基の相補性(計算)
2019年度
大問番号項目内容
1細胞体の構成比
2細胞アクアポリン、水の透過性
3代謝・体内環境解糖系、ホルモンの性質
4遺伝情報組織培養、遺伝子の発現、遺伝子組み換え
5有性生殖遺伝
6進化系統生命の起源、ミラーの実験、進化説
2018年度
大問番号項目内容
1動物の発生ウニの受精(考察)、多精拒否
2遺伝情報インスリン遺伝子の発現、変異、PCR
3分子系統樹生物の系統関係
4動物の反応膝蓋腱反射の経路、シナプス
5体内環境血液凝固、赤血球(考察)
6植物の環境応答光受容体、花芽形成、限界暗期
2017年度
大問番号項目内容
1バイオーム雨温図、垂直分布
2動物の反応活動電位、心臓の拍動
3遺伝情報、遺伝バイオテクノロジー、自由交配
4代謝酵母菌の呼吸、コハク酸脱水素酵素の実験
5体内環境二次応答、細胞性免疫、免疫寛容
2016年度
大問番号項目内容
1細胞細胞分裂と染色体の構造
2体内環境肝臓・腎臓の働き
3体内環境血糖量調節
4代謝エネルギー代謝
5進化・系統地質年代と生物の変遷
6代謝酵素の反応速度と反応条件

B 傾向

マークシート式。2020年度は2年ぶりに大問の数は5問であったが問題数は31問あり、空欄選択などを考えると若干分量が増した感がある。例年時間が足りないので2020年度も時間的には見直す余裕はなかっただろう。2020年度も選択問題、実験考察問題、図・表の読みとり問題がバランスよく出題されていた。計算問題が散見されたのも2020年度の特徴であるが、計算自体は標準的な問題であるので、落とすと命取りになるだろう。空所補充問題がなく、正しいものを一つないし二つ選べというシンプルな問いではあるが、選択肢の数が多く、選択肢の文章が長いので、読んでいるうちに混乱してくる恐れがある。

出題内容としては、第一問に植生のラウンケルなどが出題され、驚いた受験生も多かっただろう。生態系は2017年に出題されているが、この時も大問1での出題であった。しかし、内容的には標準的なもので、教科書レベルの知識があれば解答は容易だっただろう。2020年度ではそれ以外は動物の反応、遺伝情報、生殖と発生、代謝というような頻出分野が並び、過去問研究をきちんと行っていた生徒には通常通りという印象だと思われる。

C 対策

東邦大学は試験時間が少なく、迅速なアウトプットを要求される。そのため、基本単語であれば瞬間的に答えられるようにしなければいけない。中には聞いたことも無い単語も出題されるが、落ち着いて消去法で対処できればよい。まずは教科書を徹底的に理解して覚え、仕組みや覚えきれないところは図説を用いて理解し、サブノートなどを作っておくとよい。考察といえども、図説に載っている、いわゆる「見たことがある」問題が多いので、図説もしっかり見ておこう。特に医学系の問題は例年頻出で出題されているので、丁寧に理解することが大事である。また、考察問題は結果が予測できる問題も数多く含まれているので、図説を参照して実験概要と結果をしっかり記憶しておくとよいだろう。一方で、クイズの様な、時間がかかる問題も大問として出題されるので、標準的な知識問題は迅速に解かなければならない。

スピードアップの練習には問題数が多かった時代の過去の問題に取り組んでみるのもよい。1年分を60分ではなく、45分で解き切る練習をするのも効果的である。計算問題は決して落としてはいけないレベルの問題であるから、計算に特化した問題集を用いて学習しておこう。

小論文・面接

1 小論文

  • 実施されません。

2 面接

面接の形態個人面接4回(面接官1人に対し受験生1人)
グループ討論(面接官2人に対し受験生4人)
※面接に先立ち、どのように面接が進行されるのかを説明してくれる映像を2回見る。
面接時間個人面接3分(1回当たり)
グループ討論18分
質問例

<個人面接>
個人面接は下記の手順で実施される。
①合図とともに室内に入り、テーブルの上に課題文等が書かれたペーパーが置かれている場合はそれを読む。
②読み終えたら面接官に顔を向ける。
③3分間の面接が終了した後、部屋を出る。
④上記を4回繰り返す。

1)課題文等がある場合の質問例

  • 大学をよく休んでいる友達がテスト前にノートや資料を見せてほしいと言ってきたら、見せるのかそれとも見せないのか、理由もつけて述べる。
  • リハビリを拒む人に対して医師が声を荒げて注意した。なぜこの人はリハビリを拒むのかについて、理由もつけて述べる。
  • 長生きしたから治療は必要ないと言っている老人に対して、医師であるあなたは積極的に治療を行うか、理由もつけて述べる。
  • 受験会場に向かっている途中で電車を間違えていることに気づき、正しい電車に乗り換えようとしている際に、苦しそうにして倒れている人に出くわした。誰も立ち止まらない中、あなたはどうするか。
  • 実習先が電子カルテを導入したところ、同級生が後輩のカルテを不正アクセスして読んでいた。その同級生と後輩は交際しており、心配なあまり勝手に見たとのことである。あなたは同級生に見るのをやめるよう伝えたが、同級生はやめるつもりはなく、そもそも全く悪いと思っていない。もし不正アクセスをしていたことが判明すれば、厳重な処分が下される。あなたは指導教官に同級生の不正アクセスの件を伝えるか、それとも伝えないか。理由もつけて述べよ。
  • Aさんは陸上部に所属しており、重要な試合でのリレーのアンカーを任された。試合になるとAさんは気合が入りすぎてスタートが早くなってしまい、バトンがつながらなかった。先輩たちはAさんを責めた。あなたが先輩だったら、Aさんにどのような言葉をかけるか。
  • あなたはアルバイトに急いで行こうとしています。しかし、友人に探し物を手伝ってほしいと言われました。あなたならどうしますか。理由とともに答えてください。
  • Aさんはガンの治療のために手術と人工肛門を使用しなければならないと言われました。Aさんは家族とも話し合い、準備と心構えをしていましたが、術後、主治医から「人工肛門の必要はなくなりました」と言われました。Aさんはなぜか悲しい気持ちになりました。なぜだと思いますか。理由とともに答えてください。
  • 治療法が確立していない病気の遺伝子診断についてどう思いますか。理由とともに賛成か反対かを述べてください。
  • 医療費補助制度について書いてある文章を読み、模擬患者の人にそれを説明する(ただし、文章は難解な言葉で書かれてあるので、わかりやすい言葉に言い換えなければならない)。
  • 病気の治療法について書いてある文章を読み、模擬患者の人にそれを説明する(ただし、文章は難解な言葉で書かれてあるので、わかりやすい言葉に言い換えなければならない)。
  • マタハラ、エボラ出血熱、特定秘密保護法、イスラム国等の用語から3つを選んで面接官に詳しく説明する(説明した内容に対する面接官からの質問はありません)。
  • 被験者役の面接官に、与えられた複数の図形を言葉のみで説明し正確に書いてもらう。なお、図形は星形、三角形、円といったものであるが、被験者はわざと意地悪にふるまうため、「円を書いてください」と言っても、漢字で「円」と書いたりする。
  • キューリー夫人、樋口一葉、南北戦争、クラウドファンディング、血管年齢、電子マネーのうちから3つ選んで説明する。

2)課題文がない場合の質問例

  • 勉強以外に頑張ったことは何か。また、そのことは医師としてやっていく上でどう役立つと思うか。
  • どのような医師になりたいのか。
  • 今年不合格であった場合、来年も受験するのか。
  • 大学生や医学生に社会が求めていることは何だと思うか。
  • あなたにとって自己研鑽とは何か。
  • ①講義を聴く、②本や参考書から学ぶ、③他の人と教えあう、④他の人と議論する のうち、どの形式が最も有効な学習法か。また、そう考える理由は何か。
  • 東邦大学への合格が決まったら何がしたいか。
  • 東邦大学が秋入学を導入したら何がしたいか。

<集団討論>

  • 集団討論は1グループ4人で実施される。なお、面接官(監督官)は2人である。討論テーマに関する文章を読んで、それに基づいて討論を進め、意見をまとめて報告する。
  • 一度意見をまとめて報告しても、再度別の観点から話し合うよう指示されることもある。
  • 18分間という非常に限られた時間のなかでの討論であるので、意見がまとまらず途中で終了することもある。
  • 司会者は誰にするのか等、すべてグループのメンバーで決めることとなっており、監督官の介入はないようである。

【討論テーマ例】

  • 3人の子供がいる人が認知症と診断された。その子供たち3人それぞれの家族構成やお互いの仲の良さなどの情報が示されているので、それらの情報を基にどの子供が認知症と判断された親の面倒をみるべきか、順番を決める。
  • 多発性骨髄腫で入院しているAさん(55才、身寄りなし)は痛みのため、周囲によく当り散らしている。看護師BがAさんの着替えを手伝っているときにAさんが骨折してしまった。BはAさんに謝罪した。医師Cは誰が手伝っていたとしても結果は同じであったとAさんに説明したが、Aさんは今後のBによる看護を拒否した。
    1. Aさんはどういう気持ちでそういう行動をとったのか。
    2. 看護師Bをはじめ、医師やその他の医療スタッフはどうAさんに対応すべきか。
  • Aさんは一人きりで村で暮らし、ヘルパーさんに週に何度かお世話になっています。Aさんは、認知症の診断はされていませんが、物忘れが激しくなっていることをヘルパーさん達が近頃心配しています。Aさんには娘がいますが、受験生の子供がいて、Aさんを引き取りたくないと言っており、Aさんも村を離れたくないと言っています。医療に携わる者として、Aさんの診断をどうするのか、Aさんに何ができるのかを考えなさい。
  • 日本の出生率の低下の原因を5つとその対策を2つ以上まとめる(参考資料として、各国の合計特殊出生率の推移を示したグラフが用意されていた)。
  • 家族介護における主たる介護者(子の配偶者、夫、妻等)の最近30年間の割合変化について、資料として与えられているグラフから、3つ以上の特徴とその理由を述べるとともに、問題点に対して2つ以上の現実的な対策を考える。
  • 世帯数と世帯人員のグラフを見て、今後の医療福祉のあり方について、3つの解決策を優先順位をつけて考える。

学納金等

学納金

6年間計25,800,000円
項目初年度次年度以降(毎年度)
入学金1,500,000円 
授業料2,500,000円2,500,000円
医学教育充実費500,000円900,000円
施設設備費300,000円800,000円
合計4,800,000円4,200,000円

諸会費等

項目初年度次年度以降(毎年度)
学生教育研究災害傷害保険料4,800円 
学研災付帯賠償責任保険料3,000円 
父母会費300,000円 
学生自治会費90,000円 
同窓会費100,000円 
合計497,800円0円

医師国家試験合格者数及び合格率

総数新卒既卒
出願
者数
受験
者数
A
合格
者数
B
合格率
B/A
出願
者数
受験
者数
A
合格
者数
B
合格率
B/A
出願
者数
受験
者数
A
合格
者数
B
合格率
B/A
第115回(2021年3月16日発表)13612511793.6%13112011696.7%55120.0%
第114回(2020年3月16日発表)1081029694.1%102969396.9%66350.0%
第113回(2019年3月18日発表)12611611195.7%12011110897.3%65360.0%
第112回(2018年3月19日発表)15613713296.4%14212312198.4%14141178.6%
第111回(2017年3月17日発表)1381119585.6%125988990.8%1313646.2%
第110回(2016年3月18日発表)116988586.7%102847690.5%1414964.3%